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2005年7月 2日 (土)

パニック

自閉症の症状の一つに「パニック」というものがあります。もちろん、自閉症児(者)の全員がパニックを起こす訳ではあり
ません。全くパニックとは縁がない人も沢山居ます。
以前の聖也はパニックと言っても可愛いもので、泣いているのみでしたし、気持ちの切り替えも早かったのですが、意思
が芽生えた頃から、その症状は激しくなりました。
わあわあと泣き叫び・時には路上でひっくり返り・ドスドスと地団駄を踏み・自分の腿や頭を叩き・耳を引っ張り・口を指で
大きく広げ(いわゆる自傷行為)ます。切り替えに掛かる時間も長くなりました。
パニックを起こす要因は様々です。自分の思いが上手く伝わらない(表現する術が分からない)・伝えられてもそれが受
入れられなかった・自分の‘こだわり’を止められた・自分が予想した通りでなかった・・などなど。必ずしも一つの要因で
はなく、複数の要因が絡んでいる場合もあると思います。

以前、こんな事がありました・・・耳鼻科へ行った時のこと、調剤薬局で薬を待つ間、聖也はどうしても子供の声が気にな
り、薬局の中で待つことが出来ずに隣接する携帯ショップへ逃げ込んでいました。窓のブラインドが気に入り、上げ下げし
て瞳をキラキラさせています。でも、やはりそれは、お店の方にとっては好ましくない行為ですので、「薬は終わり!帰り
ます!」そう云って外へ連れ出したのです。ところが、聖也はまだまだブラインドで遊んでいたかった・ママに遮断された・
そしてママは怒っている・でパニックになってしまいました。もしかしたら聖也は、ブラインドが如何に素晴らしくて、だから
もっとやりたいんだと言いたかったのかも。そしてそれを伝える術=言葉が分からなかったのかも。また、聖也からしたら
子供の声から逃れて、やっと手に入れた安定だったのでしょう。耳鼻科での緊張の後も手伝って、記録に残る“大パニッ
ク”でした。
大声で泣き叫び、手を引こうとしても、抱っこして連れて行こうとしても、スルリと身を交し、路上に仰向けになって泣き続
けました。通りかかる人々の遠巻きの視線が痛いです。でも、これ程の大パニックになったら、もうどう仕様もありません。
何を話し掛けても無駄です。大声で泣くという行為は、自分の置かれた状況に耐え切れず、外界をシャットアウトする行為
なのです。5分程そのまま泣かせた末、泣き止んだ聖也は涙の跡がいっぱいの顔で、仰向けのまま「あっこ(抱っこ)」と言
って両手を広げました。歩けないほど消耗していたのです。
パニックを起こされると、どっと疲れます。でも、一番疲れているのはパニックを起こしている本人なのです。体力的にも
精神的にも。
疲れきった20㎏の聖也を抱っこして歩き、車に乗り、帰りに立ち寄ったスーパーの駐車場で私は声をあげて泣いてしまい
ました。めったに無い“大パニック”を起こして疲れきった聖也を見て、その時は何だか切なくなったのです。(“小パニック
”の時は叱り飛ばしたりしているのにねぇ・・・)パニックから立ち直った聖也は、そんな私の肩に手を置き「どうしたの?」
という顔で覗き込みます。優しいねぇ聖也ぁ・・・でも・・・「聖也がねぇ!わーわーってなるとねぇ!ママは悲しいんだよおぉ
ぉぉ」と泣きながら訴えてしまいました。^^;率直なママの訴えに驚き顔の聖也は・・・「うんうん」と頷いていました。-_-♯

現在、聖也は“小パニック”も含めると、ほぼ毎日パニックを起こしています。でも、学校では殆ど無いみたいですし、お友
達親子と一緒の外出時ならば、決してと言っていい程パニックはおこしません。だからよく「聖也くんは落ち着いているね
」と言われます。(ズルイぞ、聖也っちょ!)それは、聖也の中できちんと場面転換がなされているという事ですし、パニック
は意思の芽生えの現れでもある訳ですし、この状況がずーっと続くという訳ではないとも思います。
それでもやはり、パニックは親子共々キツ~イ!!です。

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